循環器内科
循環器内科について
当科では心臓カテーテル検査を1983年より開始し、1986年より心臓カテーテル治療を始めました。2023年までに、心臓カテーテル検査47000 例、狭心症・心筋梗塞に対する冠動脈カテーテル治療11400例、頻拍性不整脈に対してのカテーテルアブレーション治療1900例、徐脈性不整脈や致死的不整 脈に対してのペースメーカーデバイス植込み術2100例を施行しております。
また、上肢・下肢動脈の閉塞性動脈硬化症に対しての血管内カテーテル治療や、 下肢深部静脈血栓症により生じる肺塞栓症(エコノミークラス症候群)に対する下大静脈フィルター留置術なども行っております。
循環器内科の実績
症例数 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | 2023年 |
---|---|---|---|---|---|
冠動脈造影検査 | 700 | 537 | 523 | 451 | 454 |
経皮的冠動脈形成術 | 210 | 189 | 185 | 187 | 193 |
カテーテルアブレーション (心房細動治療) | 152 (110) | 117 (80) | 127 (96) | 116 (81) | 106 (81) |
ペースメーカー移植術 (リードレスペースメーカー) | 60 | 63 | 61 | 67 (7) | 67 (8) |
両心室ペースメーカーおよび 植込み型除細動器移植術 | 10 | 5 | 7 | 6 | 5 |
閉塞性動脈硬化症に対する 血管内カテーテル治療 | 42 | 31 | 29 | 21 | 24 |
施設認定
当科は以下の施設認定病院です。
- ・ロータブレーター
- 動脈硬化が極端にひどい冠動脈のカテーテル治療に使用する器具です。
- ・植込み型除細動器
- 突然死をまねく重症不整脈を治療するペースメーカーです。
着用型除細動器、皮下植込み型除細動器(S-ICD)も施行可能です。 - ・両心室ペースメーカー
- 重症心不全(心臓の衰弱した状態)の治療用ペースメーカーです。
- ・リードレスペースメーカー
- 右心室内に直接留置できる小型ペースメーカーで、胸壁皮下への本体留置やリード線留置の必要がありません。
- ・経カテーテル的大動脈弁植込み術(TAVI)
- 大動脈弁狭窄症に対し、カテーテルを用いて人工弁を留置する治療です。
動脈硬化症と虚血性心疾患について
頭の血管がつまると脳梗塞、足の血管がつまると閉塞性動脈硬化症といい、足の指が壊死におちいったりします。心臓の血管(冠動脈)に動脈硬化がおこると、狭心症、心筋梗塞といった心臓病(虚血性心疾患)になります。
以下は実際の狭心症の患者さまの治療です。
(2)薬剤溶出バルーン治療
2014年より冠動脈拡張バルーン表面に再狭窄予防効果のある薬剤を塗布されたバルーンが使用可能となりました。すべての病変に使用できるものではありませんが、このバルーンで治療可能な病変であれば冠動脈内に異物を残すことなく、薬剤溶出ステントと同等の効果が期待できます。
現在はこのような冠動脈治療をレントゲン造影画像のみならず、血管内超音波画像(IVUS)や光干渉断層画像(OCT)、冠動脈CT画像などで血管壁の動脈硬化の性状や血管サイズを正確に観察の上、病変に適した治療法を選択しております。また冠動脈内圧測定による正確な虚血評価(FFR/iFR)を行うことで、不必要な冠動脈治療をなるべく避けるよう心がけています。
新しい冠動脈疾患診断支援システム:FFR-CT解析について
不整脈のカテーテル治療(カテーテルアブレーション)
ほとんどの場合は大腿静脈か大腿動脈よりカテーテルを挿入し治療します。
上室性頻拍症以外にも、心室頻拍、頻拍性心房細動などの不整脈に対してもカテーテルアブレーションにて治療可能です。治療が成功すると、不整脈が根治でき、薬の内服の必要もなくなります。
本治療は三次元マッピングシステムを使用して行っています。本装置は心臓内に留置した電極カテーテルの位置を正確な座標で捉えることができ、カテーテルの3D表示が可能です。これに事前に撮影したCTまたはMRIでの心臓立体画像と組み合わせることにより、実際の心臓とその中のカテーテルをリアルタイムで立体表示することが可能となります(下図)。さらにその画像に心筋の障害状態や電気の流れをカラー表示できるため、不整脈回路の位置と治療用カテーテルとの位置を容易かつ正確にとらえることが可能となります。この装置を使用することで、難易度の高い致死性心室性不整脈へのカテーテル治療や、心房細動に対するカテーテル根治療法の安全性と成功率が向上しました。また2016年より心房細動治療をより短時間で有効に施行し得るクライオバルーン治療も導入しております。
心不全管理と心臓リハビリテーションについて
ハートチームについて
また2018年に当院にも血管造影装置を備えたハイブリッド手術室が完成しました。循環器内科と心臓血管外科のハートチーム医療がさらに行いやすくなり、大動脈弁狭窄症のカテーテル治療(TAVI)の施設認定も取得しました。2019年3月より同治療を開始し、2024年3月までに120例の治療を行っています。
スタッフ紹介
副院長 兼 第一循環器内科部 部長
1990年 鳥取大学卒
医学博士
日本循環器学会認定循環器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
日本心血管インターベンション治療学会認定心血管カテーテル治療専門医
臨床研修指導医
鳥取大学医学部臨床教授
日本内科学会 中国支部評議員
第二循環器内科部 部長
1993年 鳥取大学卒
<資格等>
日本循環器学会認定循環器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
日本不整脈心電学会認定不整脈専門医
臨床研修指導医
<所属学会>
日本内科学会
日本循環器学会 中国支部評議員
日本不整脈心電学会 中国・四国支部運営委員
日本心血管インターベンション治療学会
日本心臓病学会
APHRS
第一循環器内科部 副部長
1996年 鳥取大学卒
日本循環器学会認定循環器専門医
日本内科学会認定総合内科専門医
臨床研修指導医
<所属学会>
日本内科学会
日本循環器学会
日本救急医学会
日本心血管インターベンション治療学会
第二循環器内科部 副部長
2007年 岩手医科大学卒
日本循環器学会認定循環器専門医
日本内科学会
循環器一般、カテーテル治療
第二循環器内科部 医師
2019年 鳥取大学卒
<所属学会>
日本内科学会
日本循環器学会
日本心血管インターベンション治療学会
第一循環器内科部 医師
2020年 鳥取大学卒
<所属学会>
日本内科学会
日本循環器学会
日本心血管インターベンション治療学会