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リハビリテーション部門

当院の特徴

対象は、医師よりリハビリテーションが必要と判断されたすべての患者さまです。脳神経内科、脳神経外科、整形外科をはじめ、循環器内科、心臓血管外科、乳腺外科、血液内科など院内のほぼ全科からの依頼に対応しており、令和5年度のリハビリテーション依頼件数は年間6500件を超えています。
  • 「必要な時」に「必要なリハビリテーション」を提供できるよう、理学療法は365日、作業療法・言語聴覚療法は平日に加え土曜・祝日の対応を行っています。
  • 手術を行う場合は、必要に応じて術前から介入することで患者さまの不安を軽減し、早期に退院できるよう支援します。
  • 医師や看護師など多職種と積極的にコミュニケーションを図り、スタッフ一丸となって患者さまの機能回復を目指します。
  • 退院後も一貫したリハビリテーションが継続できるよう、地域や転院先との連携を大切にしています。
  • 地域と医療の架け橋となることを目指して、地域の皆様へ向けての講演会などにも携わっています。

理学療法

脳卒中などの病気やケガ、加齢などによって「起き上がる」、「座る」、「立ち上がる」、「歩く」など、これまで当たり前に行っていたことが難しくなることがあります。理学療法は、できるだけ早期からその方の状態に応じた治療を行うことで、これらの基本的な動作能力の回復を図ります。リハビリテーションと聞くと「筋力や体力をつける」といったイメージが強いかもしれませんが、決してそれだけではなく、患者さまが安心・安全に動くために必要なことを考えながら治療していきます。
また、当院では心不全などに対する心臓リハビリテーション、呼吸器疾患に対する呼吸リハビリテーション、がん・リンパ浮腫への対応など、専門性に富んだ治療を行っています。

患者さまの体や心の状態に寄り添いながら、再び自分らしい生活を送っていただけるようにサポートしていきます。患者さまの「できる」が一つでも増え、笑顔になっていただけることが私たちの一番の目標です。

作業療法

「作業療法は、病気やケガ、もしくは生まれながらに障害のある人など年齢に関係なく、日常生活に支援が必要なすべての人に関わります(一般社団法人日本作業療法士協会より)」

当院の作業療法は、患者さまが元の生活に戻ることができるように食事やトイレなど生活で行われる活動の改善を目的としています。具体的には、食事を自分で食べられるように座る練習を行ったり、持ちやすい食器(自助食器)を使用するなどの工夫を行います。その他にもトイレ、整容、着替え、入浴動作、身の回り動作が可能となるようにサポートしていきます。患者さまそれぞれの生活が送られるよう、時期や状態をみながら治療、援助、指導していきます。
また、骨折などのケガや手術後には心地良い姿勢がとれるように環境を調整するなど、患者さまひとりひとりに寄り添えるように心掛けています。

言語聴覚療法

「言語聴覚療士(以下ST)は、様々な疾患やけがにより生じた、話す・聞くなどの言葉・意思を伝える力の問題や、噛む・飲み込む力などの問題に困っている方々に対して、伝える力を改善し、生きる力の向上を手助けしています(山陰言語聴覚士協会HPより)」

具体的には、顔の麻痺や手術により生じた発音や食べる・飲み込むことの障害や、失語症と呼ばれる、脳梗塞や脳出血に代表される脳の損傷によって生じるコミュニケーションの障害の改善などの援助を行います。
失語症の状態を簡単に説明すると、言葉の分からない外国に一人で行った状態です。
    言いたいことはあるのにうまく言葉にできない
    雰囲気や身振りなどで、何となく理解はできるが、言われることが正確に理解できない
    文字で伝えようとしてもどのように書いていいか分からない
などといった症状が、程度の差はあれ急激に生じるものです。
言葉が出ない、コミュニケーションがとりにくくなったなどで、認知症と誤解されることがありますが、全く異なるもので、当事者のストレスは測り知れないものです。STは、関わり方や周囲への理解の助言などを行い、本人、ご家族に可能な限り円滑にコミュニケーションを図っていただくよう援助を行います。
また、嚥下障害(食べ物が上手く飲み込めなくなる)の患者さまについては、指示があり次第、早期から介入を行い、安全に食べられる食事形態や姿勢など配慮した上で、医師や看護師、管理栄養士などとともに、栄養状態の維持・改善に努めています。
どの障害についても早期に介入し、多職種で連携しながら、ご自宅や近隣病院、施設などでできるだけ安心して過ごしていただけるようにサポートを行います。

スタッフ紹介(2024年5月時点)

スタッフ数

理学療法士(PT):32名 
作業療法士(OT):9名
言語聴覚士(ST):7名

資格

認定理学療法士(運動器)
2名
認定理学療法士(循環)
2名
認定理学療法士(呼吸)
3名
認定理学療法士(代謝)
1名
三学会合同呼吸療法認定士
10名
心臓リハビリテーション指導士
4名
呼吸ケア指導士
1名
腎臓リハビリテーション指導士
1名
認知症ケア専門士
1名
NST専門療法士
3名
島根県糖尿病療養指導士
3名
がんのリハビリテーション研修修了
34名
リンパ浮腫療法士
1名
福祉住環境コーディネーター2級、3級
5名
準中級レクリエーションインストラクター
1名
臨床実習指導者講習会修了
8名
急性期ケア専門士2名
生活行為向上マネジメント(MTDLP)研修修了3名

業績

ー 2023年 ―

<著書論文>
Tomoko Suyama, Shinobu Sugihara, Ryuji Suyama, Naoki Fukuyama, Naoki Suyama, Yuta Ito, Ryota Seto, Kaori Kinoshita, Shihori Kitae, Kinya Shirota:The Clock-Drawing Test as a Useful Screening Assessment of Preoperative Cognitive Impairment with Readmission After Transcatheter Aortic Valve Implantation. YonagoActaMedica, 66(3):345–354, 2023.
 
<学会発表>
1)内藤優人、須山竜二、馬庭春樹:間質性肺炎患者における1年後の6分間歩行距離低下へ影響する要因の検討. 第36回中国ブロック理学療法士学会(広島市), 2023年9月2日~9月3日

 2)須山朋子、須山竜二、西本祥久、木下香織、北惠詩穂里:舌がんに対し舌半切除術と   頸部郭清術後に栄養管理と運動療法の継続により運動耐容能が改善した一症例. 第36回中国ブロック理学療法士学会(広島市), 2023年9月2日~9月3日
3)須山朋子、杉原志伸、須山竜二、木下香織、北惠詩穂里、井上義明 、城田欣也:外科治療の選択に心肺運動負荷試験が有用であった三尖弁閉鎖不全症の一症例. 第29回心臓リハビリテーション学会学術集会(横浜市・ハイブリット開催), 2023年7月15日~16日
 
4)須山竜二、杉原志伸、須山朋子、陶山直樹、佐々木健吾、福山直樹、木下香織、北惠詩穂里、城田欣也:心疾患患者において大腿直筋厚は運動耐容能の層別化が可能な指標である. 第87回日本循環器学会学術集会(福岡市・ハイブリッド開催), 2023年3月10日~12日
 
5)須山竜二、杉原志伸、城田欣也:急性心筋梗塞患者において大腿直筋厚は運動耐容能の層別化が可能な指標である. 日本超音波医学会第59回中国地方会学術集会(米子市), 2023年9月2日
6)須山竜二、杉原志伸、須山朋子、北惠詩穂里、城田欣也:Mini-Cogのサブ項目である時計描画試験は6ヶ月後の心不全再入院と関連する. 日本心臓リハビリテーション学会第9回中国支部地方会(米子市), 2023年11月18日
7)R. Suyama, S. Sugihara, T. Suyama, N. Suyama, N. Fukuyama, K. Kinoshita, S. Kitae, K. Shirota, K. Tanabe:Association between oxygen uptake efficiency slope and cardiovascular events in patients with heart failure. Heart Failure 2023(Prague, Czechia・ハイブリッド開催), 20 May - 23 May 2023.
 
<院外講演記録>
須山竜二:腎臓リハビリテーションから見た呼吸器の重要性. 島根県理学療法士会 呼吸理学療法研究班 ベーシックコース 「呼吸器からみた多臓器」 (松江市・ハイブリッド開催), 2023年1月15日



-2022年-
<著書論文>
佐々木順一,武部晃平,徳安宏和,木下香織,田邊翔太,秦公平:重症新型コロナウイルス感染症肺炎の回復期理学療法においてベッド上での下肢エルゴメーターによる運動療法と深吸気練習が有効であった1例.理学療法ジャーナル56巻8号;979-983,2022

<学会発表>
1)須山朋子:Mini-Cogでの認知機能低下は経カテーテル大動脈弁植え込み術(TAVI)患者の再入院と関連する.第86回日本循環器学会学術集会(3月 WEB開催)
2)佐々木順一,武部晃平,木下香織:当院におけるCOVID-19患者のリハビリテーションの取り組みと課題.第19回島根県理学療法学会(5月 出雲)
3)須山竜二:心不全患者においてMini-Cogによる認知機能障害と歩行速度低下の併存は心不全再入院と関連する.第28回日本心臓リハビリテーション学会学術集会(6月 沖縄)
4)須山朋子:TAVI術前の認知機能は身体機能と関連する.第6回日本循環器理学療法学会学術大会(9月 東京)
5)須山朋子:右下腿リンパ浮腫を生じた野生型ATTRアミロイドーシス症例に対し複合的理学療法を実施し心不全増悪なくリンパ浮腫管理が行えた一症例.第6回日本リンパ浮腫治療学会学術集会(9月 東京)
6)須山竜二:心不全患者においてMini-Cogの項目である時計描画テストは退院後6か月以内の心不全による再入院と関連する.第6回日本循環器理学療法学会学術大会(9月 東京)
7)須山竜二:Mini-Cogと歩行速度の複合評価はMAGGIスコアとともに心不全再入院に関連する.第26回日本心不全学会学術集会(10月 奈良)
8)吾郷達也,曾田陽介:脳血管障害患者に対する自動車運転再開支援~車椅子での模擬下にて反復訓練を行った症例~.第16回島根県作業療法学会(11月 松江)

<院外講演記録>
須山竜二:腎臓リハビリテーションのすすめ.島根県理学療法士会共育フェス2022(11月 WEB開催)



-2021年-
<論文>
須山竜二:心停止蘇生後、急性呼吸症候群合併症に対して心臓リハビリテーションを行い、社会復帰を遂げた一症例.理学療法学48巻5号;530-536,2021

<学会発表>
1)武部晃平:体外式膜型人工肺装着下で早期離床を行い復職に至った1例.第30回呼吸ケア・リハビリテーション学会学術集会(3月 京都)
2)佐々木順一:COVID-19患者のリハビリテーションにおける感染予防対策と問題点.第30回呼吸ケア・リハビリテーション学会学術集会(3月 京都)
3)青木亮子:急性期病院入院患者における残存歯・義歯の誤飲に関する検討.第62回日本神経学会学術大会(5月 京都)
4)佐々木順一:胃癌手術患者における術前後の身体機能の変化と術後合併症の関係.第34回中国ブロック理学療法士学会(7月 松江)
5)福山直樹:当院での敗血症におけるリハビリテーションの現状について-Life Spaceが死亡及び離床に与える影響に着目して.第34回中国ブロック理学療法士学会(7月 松江)


-2020年-
<学会発表>
1)佐々木順一:胃癌手術患者に対する容量型インセンティブ・スパイロメトリーを用いた術前呼吸練習は呼吸機能を改善する.第18回島根理学療法士県士会(2月 出雲)
2)須山竜二:外来心臓リハビリテーション(CR)により運動耐容能の著明な改善が得られた心停止後ARDSを合併した急性心筋梗塞患者の一症例.第18回島根理学療法士県士会(2月 出雲)
3)須山竜二:心不全患者の予後に関連する酸素摂取効率勾配(OUES)値の検討.第26回日本心臓リハビリテーション学会学術集会(7月 WEB開催)
4)北野和喜:急性期脳梗塞患者における移乗動作自立獲得の阻害要因の検討.第61回日本神経学会学術大会(8月 岡山)

学会発表受賞歴

-2023年度-
第29回心臓リハビリテーション学会学術集会 症例演題優秀賞受賞
受賞者名:須山朋子
受賞演題:外科治療の選択に心肺運動負荷試験が有用であった三尖弁閉鎖不全症の一症例
 
日本心臓リハビリテーション学会第9回中国支部地方会 最優秀賞
受賞者名:須山竜二
受賞演題:急性心筋梗塞患者において大腿直筋厚は運動耐容能の層別化が可能な指標である
 


-2021年度-
第12回日本循環器学会 コメディカル賞(看護・薬剤・リハ部門) 奨励賞
受賞者名:須山朋子
受賞演題:Mini-Cogでの認知機能低下は経カテーテル大動脈弁植え込み術 (TAVI) 患者の再入院と関連する


-2019年度-
第18回島根理学療法士学会 優秀賞
受賞者名:佐々木順一
受賞演題:胃癌手術患者に対する容量型インセンティブ・スパイロメトリーを用いた術前呼吸練習は呼吸機能を改善する
 
第55回日本赤十字社医学会総会 第4回日本赤十字社医学会呼吸器フォーラム 銀賞
受賞者名:武部 晃平
受賞演題:誤嚥性肺炎患者の退院遅延に影響する因子の検討


-2018年度-
第113回日本循環器学会中国地方会 コメディカル奨励賞
受賞者名:須山朋子
受賞演題:経皮的肺動脈形成術(BPA)後も運動耐容能低下により自宅復帰に難渋した慢性血栓塞栓性肺高血圧症の1例
 
第54回日本赤十字社医学会総会 第3回日本赤十字社医学会呼吸器フォーラム 金賞
受賞者名:佐々木順一
受賞演題:消化器外科患者に対する術前呼吸リハビリテーションを含む入院支援の取り組み
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