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検査部門

 当院検査部は、血液や尿、便、体液などの採取された検体を検査する検体検査部門(生化学検査、輸血血清検査、一般検査、血液検査、細菌検査)と心電図、脳波、超音波検査など患者さまに接して検査する生理検査部門があり、38名の臨床検査技師が働いています。
 「正確、迅速、丁寧」な検査をモットーにして、早期診断、早期治療および経過観察に役立つ検査を目指して頑張っています。また、専門性を高めるために各種 認定技師制度があり、当検査部でも認定超音波検査技師、認定輸血検査技師などの認定を取得した臨床検査技師がそれぞれの分野で貢献しています。
 緊急検査は24時間体制で休日、夜間は2名の検査技師が当直をしています。これからも当院の理念「高度、良質、公正」をサポートするために努力してまいります。
 

精度保証施設

 当院検査部が提供する臨床検査値は、標準化され且つ精度が保証されています。これは 一般社団法人日本臨床衛生検査技師会・日本臨床検査標準協議会により証されています。

輸血検査室

<血液型自動検査機器>

 輸血用血液製剤には赤血球液、濃厚血小板、新鮮凍結血漿があり、それぞれ目的に応じて投与されます。また、予め自分の血液を貯血しておき、必要時に戻す方法もあります。

血液製剤の種類 目的
赤血球液 赤血球の働きが低下する(貧血)ことで生じる全身への酸素供給不足を改善するために使用します。
・慢性貧血 ・急性出血 ・出血量の多い手術時 など
濃厚血小板 血小板の働きが低下することで生じる出血傾向を改善するために使用します。
・血液疾患 ・手術時の出血予防 など
新鮮凍結血漿 主に血漿中の「血液凝固因子」が減ることで生じる出血傾向を改善するために使用します。そのほか、さまざまな血漿成分を補うために輸血することもあります。
・肝障害 ・出血量の多い手術時 など
自己血 予定された手術日の数週間前から自分の血液を採取して貯めておき、手術時にその血液を使用します。貧血や感染症がないなどの制限があります。
アルブミン製剤 アルブミンが減少した場合に胸水・腹水・むくみを改善するためや、血漿量が少なくなった場合に血圧を安定させるために使用します。
・肝硬変 ・ネフローゼ ・出血性ショック など

輸血が行われるまで

1.血液型(ABO・RhD)検査
患者さまの血液型を検査し、原則として患者さまと同じ血液型の血液製剤を準備します。
 
2.不規則抗体検査
患者さまが、他の血液と反応するような抗体をもっていないか調べます。

3.交差適合試験
患者さまの血液と、実際に輸血する血液製剤とが反応しないことを試験管内で確かめます。

4.輸血開始
病棟や外来で、副作用に注意しながら輸血を行います。

5.輸血後感染症のご案内
輸血後3ヶ月を経過した頃に、輸血による感染がないかどうかの検査をお勧めしています。
当院では、緊急時にも対応できるよう24時間体制で輸血検査を行っており、迅速かつ安全な輸血を目指しています。

血液検査室

<新しくなった採血と尿検査の受付>
<新しく明るくなった採血室>

主な検査項目

項目 略号 検査項目 説明
血液一般
(CBC)
WBC 白血球数 感染症や炎症、血液疾患で増減します。
RBC 赤血球数 貧血や多血症がわかります。
HGB ヘモグロビン濃度
HCT ヘマトクリット 血液中の赤血球容積の割合(%)です。
貧血や多血症がわかります。
MCV 平均赤血球容積 貧血の種類を分けるのに用います。
MCH 平均赤血球ヘモグロビン量
MCHC 平均赤血球ヘモグロビン濃度
PLT 血小板数 出血した時に血を止める働きをします。
血液疾患や肝硬変で増減します。
Ret 網状赤血球数 赤血球中幼弱な赤血球の割合です。
白血球分類   好中球、リンパ球、好酸球、好塩基球、単球 機械分類または顕微鏡にて分類します。
凝固検査 PT プロトロンビン時間 血液凝固機能を調べる検査の一つです。
経口抗凝固剤の経過観察にも用います。
APTT 活性化トロンボプラスチン時間 血液凝固機能を調べる検査の一つです。
Fib フィブリノゲン
ATⅢ アンチトロンビンⅢ
FDP フィブリン体分解物
PIC プラスミンインヒビター複合体
DD Dダイマー
  出血時間 血小板機能の検査です。
骨髄検査   有核細胞数 血液異常の診断、病態の把握を目的としています。
  巨核球数
  骨髄像分類
特殊染色   ペルオキシダーゼ染色 染色液で血球を染め出して、顕微鏡を用いて血球を分類します。
  PAS染色
  鉄染色
  エステラーゼ染色
その他 ESR 赤血球沈降速度 感染症や炎症、血液疾患で増減します。

採血について

採血をされる患者さまへ
 これまでに採血をされて気分が悪くなられた方は採血の前にお申し出ください。ベッド安静にて採血いたします。
 アルコール消毒でかぶれる方はお申し出ください。クロルヘキシジン液にて消毒いたします。
 
あらかじめご了承ください
 検査内容等により採血の順番が前後することがございます。本人確認のため採血前にお名前と生年月日をお尋ねします。ご協力お願いいたします。
 

 当採血室では日々、採血に適した血管を選び、検査項目ごとの採血管の選択、採血量に留意しながら患者さまに負担をかけないように採血をしています。そして採血までの待ち時間が少ないように、また採血後はすみやかに検査を行い一時間以内に検査結果が揃うようにしています。

細菌検査室

<自動細菌同定検査装置>
<自動遺伝子検査装置>
<全自動迅速同定・感受性測定検査装置>
<血液培養自動分析装置>
 細菌検査室では患者さんより得られた検体から感染症を起こしている病原体を特定し、またどのような抗菌薬が治療に有効か検査しています。細菌の検出状況は院内感染対策チーム(ICT)に定期的に情報提供することで病院内の感染対策にも貢献しています。抗菌薬適正使用支援チーム(AST)にも属し、チーム医療の一員も担っています。

生化学・血清検査室

主な検査項目

全身状態を表す検査総蛋白・アルブミン・電解質(Na・K・Cl)・腎機能(BUN・クレアチニン)・各種酵素(AST・ALT・LDH等)・脂質(コレステロール・中性脂肪等)・アンモニア
腫瘍マーカーPSA(前立腺癌)・CEA(大腸・膵癌等)・CA19-9(膵・肝癌等)・CA15-3(乳癌)・CA125(卵巣癌)・SCC(肺・子宮癌等)・AFP(肝癌)・ProGRP(肺小細胞癌)・CYFRA(肺扁平上皮癌・腺癌等)・PIVKAⅡ(肝細胞癌)・AFP-L3%(肝細胞癌)
アレルギー検査総IgE・ダニ・ハウスダスト・イヌ上皮・ネコ上皮・食物(卵・牛乳・大豆・小麦等)・植物(スギ・ヨモギ・ブタクサ・カモガヤ等)・真菌(カンジダ・アスペルギルス等)
ホルモンなどTSH・FT4・FT3・サイログロブリン・ACTH・コルチゾール・インスリン・レニン・アルドステロン・BNP
感染症検査B型肝炎・C型肝炎・梅毒・HIV(エイズ)・マイコプラズマ肺炎
糖尿病関連血糖・ヘモグロビンA1c・脂質
心筋マーカートロポニンⅠ・CKMBmass
血中薬物濃度ジゴキシン・テオフィリン・バンコマイシン・フェノバルビタール・フェニトイン・バルプロサン・シクロスポリン・タクロリムス等
以上の項目は全て診察前に結果がわかります。
何かご心配の方は、受診をおすすめします。

メタボリック・シンドロームって知っていますか?

 生活習慣病(肥満・高血圧・糖尿病など)により、動脈硬化が促進し、脳卒中・心筋梗塞などの発症の引きがねとなります。40歳から70歳において男性では2人に1人、女性では5人に1人がメタボ予備軍と考えられています。あなたは大丈夫????
①腹囲(おへそまわり) 男性:85cm↑
女性:90cm↑
②脂質 HDLコレステロール(善玉):40mg/dl↓
中性脂肪:150mg/dl↑
③血圧 収縮期血圧:130mmHg↑
拡張期血圧:85mmHg↑
④血糖値 空腹時血糖値:110mg/dl↑
①の項目+②~④までの症状2項目以上でメタボと診断されます。

生理検査室

 生理機能検査とは、生体の持つ機能を直接測定したり、画像や波形で記録したりする検査です。当院で行っている主な検査項目です。検査内容によっては時間がかかるものや、患者さまの協力が必要となります。

        
心電図検査 心臓の電気的活動を波形として記録する検査であり、不整脈、心筋梗塞・狭心症、心肥大の有無などをみることができます。
24時間記録するホルター心電図や、階段昇降やランニングマシンの上で走って心電図を記録する運動負荷試験もあります。
呼吸機能検査 息を吸ったりはいたりして呼吸状態を調べる検査です。
検査内容は肺活量(SVC)、努力性肺活量(FVC)、気道抵抗・呼吸抵抗、気道過敏性テスト、鼻腔通気検査など
筋電図検査 神経・筋肉の活動性を調べる検査です。
検査内容は針筋電図、神経伝導検査、反復刺激検査、体性感覚誘発電位(SEP)、中枢神経磁気刺激、聴性脳幹反応(ABR)、聴性定常反応(ASSR)など
脳波検査 頭部に電極を装着して、脳の活動電位を記録する検査です。
てんかんや意識障害の程度を調べたりします。
聴力検査 耳の聴こえの検査で、耳のどの部分に障害があるかを調べます。子供の場合、写真やおもちゃを使いながら音に対する反応をみます。
平衡機能検査 めまいの原因や程度を調べる検査です。
検査内容は重心動揺検査、電気眼振図検査(ENG)
血圧脈波検査 動脈の(主に脚の)閉塞状況や硬化状況を診断する検査です。全身の動脈硬化のスクリーニング検査としても有用です。
睡眠時
無呼吸検査
寝ている時の呼吸状態や動脈酸素飽和量などを見て、睡眠中の呼吸障害の有無を調べる検査です。
自宅で簡易的に行う検査と、病院に一晩泊まり精密に調べる検査があります。
超音波検査 人の耳には聴こえない超音波を使って体の中の様子を画像にしてみる検査で、エコー検査とも言います。超音波は身体への影響がほとんどなく、体表面に当てるだけで画像が得られます。あらゆる臓器、部位をみることができ、生理検査室では心エコー・血管エコーの部屋と、腹部エコー・頸部エコー(甲状腺やリンパ節)・乳腺エコーの部屋に分かれています。
生理機能検査の内容の一部を紹介します。

呼吸機能検査

 呼吸機能検査では検査用の筒をくわえてもらい、吸ったりはいたりします。写真は「病院まつり」で一般の方を対象に呼吸機能検査を行った時の様子です。この検査で肺年齢を測ることもできます。

平衡機能検査

 平衡機能検査の一つ、重心動揺検査です。
 重心動揺検査はめまい・平衡障害の原因についての簡易的スクリーニング検査になります。
 三角形の重心計に乗ってもらい、一定時間直立します。開眼・閉眼時の重心の位置を記録し、重心の動揺具合から、身体の平衡の維持に働く機能を検査します。

睡眠時無呼吸検査

 睡眠時無呼吸の有無を調べるため、機器を装着して寝てもらいます。左図は簡易的な検査機器であり、図のように装着し睡眠中の動脈酸素飽和度や呼吸の様子を記録します。
 右図は動脈酸素飽和度だけを計測するタイプで、さらに簡便な機器です。

乳腺エコー

 乳癌は増加の傾向を示しています。日本では25~30人にひとりが乳癌になると言われています。日本の乳癌の特徴は30代後半から増え始め40代後半でピークになるということです。
 乳癌の検査にはマンモグラフィと超音波(エコー)検査があります。 当院では超音波検査は女性技師で行っています。また検査に伴う痛みもありませんので気軽に検査を受けられます。
 自覚症状がなくても最近は機械の発達により小さな癌も見つけることができるようになってきています。早期発見で乳癌は治せる病気です。是非検診を受けましょう。

注)詳しくは乳腺外科のページをご覧ください。

内視鏡検査室

 医師、およびコメディカル(検査技師、看護師、事務員)により構成され、検査・治療を行っています。

 上・下部検査室4室と透視室を備え、他に待合室、前処置エリア、下部前処置室(院内下剤服用室)、検査後回復のためのリカバリー室、内視鏡洗浄消毒機器を配備した洗浄消毒室からなっています。

受付・待合室
内視鏡検査室(上部)
前処置エリア
透視室
洗浄・消毒室
リカバリー室
 内視鏡は検査の中でも、不安や緊張、苦痛を伴う検査ですので、検査を受ける方が少しでも楽にリラックスしていただけるよう、スタッフ一同努力しています。  病気の早期発見、早期治療のためにも、当院にお越しいただき検査を受けていただければと思います。

一般検査室

<新しくなった尿定性検査測定器と尿沈渣測定器>
< 尿自動分注装置>

主な検査項目

1.尿検査
①尿定性 尿中の成分の検査
  ・糖 糖尿病のふるいの検査
  ・蛋白 腎臓の疾患で増加
  ・潜血 腎・尿路の出血がわかる
  ・ケトン体 糖代謝異常がわかる
  ・ビリルビン 肝疾患で増加
②尿沈渣 尿の有形成分を顕微鏡で検査
  ・赤血球 腎・尿路の出血がわかる
  ・白血球 腎臓・膀胱の炎症で増加
  ・細菌 尿路感染症で増加
2.髄液(脳脊椎液)の検査
脊髄炎・脳炎・くも膜下出血などの疾患の診断に有用
  ・細胞数 髄液中の有形成分を顕微鏡で観察
  ・糖 細菌性髄膜炎で低下
  ・蛋白 中枢神経系の病態を反映
3.便潜血検査
大腸癌のスクリーニング検査に有用

尿糖を自分で調べてみよう!!

一般に血糖値が160~180㎎/dlになると尿糖が(+)になります。
注意点
・ビタミンCの内服中では、アスコルビン酸の影響で尿糖が出ていても陰性になることがあります。
 
・尿糖は、糖尿病のスクリーニング検査・糖尿病治療中の患者さまの自分 の治療経過を見るには有用な検査です。

スタッフ紹介

副院長 兼 検査部長 兼 医療社会事業部 部長 兼 消化器内科部 医師 兼 リハビリテーション技術部長

内田 靖(うちだ やすし)
資格等

    医学博士
    日本内科学会認定医
    日本肝臓学会専門医、指導医
    日本消化器病学会専門医、指導医
    日本消化器内視鏡学会専門医、指導医
    日本医師会認定産業医
    臨床研修指導医
    島根大学医学部臨床教授

病院付部長 兼 検査部 医師

末次 浩(すえつぐ ひろし)
資格等

    医学博士
    日本内科学会認定医
    日本消化器病学会専門医
    日本消化器内視鏡学会専門医
    日本人間ドック・予防医療学会認定医
    臨床研修指導医

検査部組織構成

1課生化学検査室臨床検査技師 5名
輸血検査室臨床検査技師 2名
一般検査室臨床検査技師 2名
2課細菌検査室臨床検査技師 4名
血液検査室臨床検査技師 5名
3課生理検査室、内視鏡室、健診部門臨床検査技師 19名
管理管理臨床検査技師 1名

検査部 臨床検査技師の認定資格取得人数(延べ人数)

日本臨床化学会 認定臨床化学者1名
認定臨床化学・免疫化学精度保証管理検査技師1名
二級臨床検査士(血液学)1名
二級臨床検査士(臨床化学)1名
認定血液検査技師1名
認定輸血検査技師1名
認定認知症領域検査技師1名
認定心電図検査技師3名
超音波検査士(血管)3名
超音波検査士(循環器)
6名
超音波検査士(消化器)
3名
超音波検査士(体表臓器)
5名
日本消化器内視鏡学会 消化器内視鏡技師5名
緊急臨床検査士6名
日本糖尿病療養指導士1名
島根県糖尿病療養指導士2名
島根県肝炎医療コーディネーター1名
細胞検査士4名
国際細胞検査士1名
精度管理責任者5名
臨地実習指導者2名
修士7名
博士1名
ME2種2名
血管診療技師1名
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